STORY
禁じられた愛、嫉妬、罠、裏切りー
儚くも美しい幻想と悲劇のバレエ
エキゾチックな古典バレエ作品『ラ・バヤデール』
物語の舞台は古代インドで、寺院の巫女(バヤデール)であるニキヤと、勇敢な戦士ソロルの悲恋を中心に 華麗な舞台美術とともに、愛と裏切りと運命の力が描かれています。 物語は、ニキヤとソロルが互いに深く愛し合っているところから始まります。 しかし、彼らの恋には困難が待ち受けています。 苦行層マクダヴェアはニキヤに密かに思いを寄せていました。 寺院に仕える大僧侶バラモンもまたニキヤに恋をしており、彼女に自分の愛を告白しますがニキヤはバラモンの愛を拒絶します。
しかし、彼はニキヤを手に入れようと執念を燃やします。一方、ソロルはニキヤとの愛を誓いますが、彼には別の運命が待っています。 王のドゥグマンタはソロルと自分の娘で王女のガムザッティと結婚させようと考え、婚約を強制します。 ソロルは内心でニキヤへの愛を抱きつつも、王の命令に逆らうことができずに婚約を受け入れてしまいます。 これを知ったニキヤは絶望し、ガムザッティにソロルを諦めるよう懇願します。 しかし、ガムザッティもまたソロルを愛しており、彼を手放すつもりはありません。ガムザッティはなんとしてもニキヤから ソロルを奪い取ることを決意し、ニキヤは死ぬだろうと予言します。 ソロルとガムザッティの婚約式の最中、ドゥグマンタに命じられてバラモンが用意した花かごをニキヤが受け取りますが、 その中には毒蛇が隠されており、咬まれてしまいます。バラモンは解毒剤を差し出しますが、それを拒んで命を落とします。
ソロルは彼女の死に深く打ちひしがれ、悔恨の念に苛まれます。 ニキヤに恋をしていたマクダヴェアは、ソロルが裏切らなければニキヤが死ぬ事はなかったはずだと、ソロルを恨むようになって いきます。ニキヤの死に苦しむソロルの気持ちを慰める振りをして、アヘンを大量に吸わせてその身を蝕ませていったのです。 さらにマクダヴェアはニキヤを想い、あの世でニキヤの愛を成就させてあげようと考えます。そしてソロルをニキヤの元に送ろう と決意しひたすらアヘンを吸わせます。 ソロルは夢の中と現実が分からなくなり。ニキヤを探し続けます。天上より沢山のバヤデール達が舞い降り、 ニキヤが現れます。そこには階級の差も悲しみも恨みもない静寂なる愛が広がり続けるのです。